年金は破綻するのか調べてみた


年金の目的

高齢時の支援です。

国民年金は、創設当初(1942~1959)、完全積立方式を採用していました。
本当は世代間での支援を目的としていましたが、
国民を説得することをあきらめ導入したといわれています。

当初から考えていた世代間扶養

年金を積み立ててもインフレ(年金の価値が10年げ半減するイメージ)になりますし、
その時の経済状態は読めません。

当時から役員が世代間で扶養する
今の方式で考えていたと思われる個所はいくつかあります。

例えば平均年齢です。
男性の平均寿命 65.32歳
女性の平均寿命 70.19歳  (1960)
55 歳~でもらえるようになりますが、厚生年金は65歳~考えており
年金をすぐに払う意図はなかったと思います。

同じように、最低期間が25年なので
実際の老齢基礎年金は早くて25後に払う予定となります。

1970頃には、戦後景気、経済成長、所得倍増計画、オリンピックの景気を受け
インフレも年 7% ~10%ぐらいを経験しています。
食糧不足もなくなり、貧困から社会的防止策として年金の整備が行われました。
そのため、その時にためたお金は20年後には 1/4  , 1/10ぐらいになると
思っていたと思います。

バブル崩壊と景気停滞により
グリーンピアによる不良債権や運用資金の目減りが目立つようになりました。
これも、年金が実質価値がなくなるということを意識していたと思われる根拠です。

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~ – 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001r5uy-att/2r9852000001r5zf.pdf

いつの間にか変わっていた脱積み立て方式

積み立て方式のデメリットとして、インフレに弱いこともあり
(というかあまりインフレにならなかったため)
バブル期に賦課方式(1985)に移行することが
早まったような形で進みました。

方式の違い

厚労省の説明を読んだところ、
積み立て方式と賦課方式にそれほど差はありません。
若いころに積み立て、高齢になって受け取るという形です。

インフレへの対応

積み立て方式は、現代のような経済システムでは
ほぼ計画の立たないものなので、予備的なシステムです。

現役世代から高齢者を支援する形をとっても
ハイパーインフレはもちろん、急激な変化に対応できません。
また、世代間扶養は、人口の変化に弱い欠点があります。

そこで、今の年金システムは
インフレに対応するためスライド方式を行います。
5年ごとに100年間の計画を立てる方法です。
5年ごとに修正すればそれは破綻しないでしょう。
けれども、どうなるかわからないという計画です。
そういう意味で破たんはしないのです。

実態は、
インフレ+税収+現役世代の元気具合によって
給付(納付も)が変動します。

財務省などが言う年金が破綻しないというのは
こういう前提がもとになっています。

そのため、自分たちの受け取る年金は
現役世代が育った/を育てたかどうか、
経済を破たんさせてないかが重要になります。

運用も難しい

積み立てを運用して稼ごうと思っても
世界最大の運用資金になるため
市場に対する影響が大きすぎます
(日本の巨大なGDPや日本の資産のせい)。

投資が冷え込んでいるときに
資金を投入しても、
国債に回りやすくなるため
税金を食うという悪影響がある。

一世を風靡したむらかみファンドがつぶれたのも
急激に大きくなったためやり方が変わり対応できなくなったのが
一因と言われています。

破綻すると言っている人の中にはこういう理由から
破綻するリスクがあると言っています。
そういう人たちではインフレリスクにどう対応するかという話がないため
少し筋がずれています。

インフレリスクの対応なしに、積立金を推奨しても意味がありませんし、
高齢の時の社会サポートをどうするかを考えていなければ
議論にもなりません。

 積立金

2013年(平成25年)度末の国民年金積立金は
時価ベースで8.4兆円であり、
厚生年金積立金123.6兆円と合わせた132兆円になりました。

国の資産600兆円の内130兆円(運用寄託金)がこの年金です。
また特別会計の積立金137兆円のうち132兆円がそれにあたります。
https://www.mof.go.jp/budget/topics/special_account/fy2015/

現役世代が減れば、もちろん減ります。
それは、今まで現役世代がためたお金が使われているので
若者世代がそれほど気にする必要はありません。
寿命が延びたとはいえ、むしろ、低成長とデフレや最低期間の長さ等で
現役世代が得する可能性もありますね。

当時は戦後だったので、戦時中生まれの人はあまり入っていません。
またサラリーマン(&専業主婦&核家族)は、
団塊の世代から多く増えた(と思われます)が
サラリーマン以外の人は入っていません。

最低期間が長く、今ほど有名でなかった年金は
むしろ団塊世代には払われていない可能性もあります。

国が沈んだ時のサポートはなく、
国が沈んだら一緒に沈みます。
納めてもしょうがないです。

まずは国を立て直すこと。

おまけ:年金を理解する

年金の種類

年金は以前3種類ありました。

サラリーマンは厚生年金、公務員や農業の人などは各種共済年金
それ以外は国民年金です。

  • 厚生年金(1階部分+2階部分+企業年金+ 301k/確定拠出年金) = 第2号
  • 国民年金(1階部分+付加年金+個人型確定拠出年金) = 第1号

※第3号は一般的には主婦です。

サラリーマンは
厚生年金に入ると、1,2階部分を払い、さらに企業によっては企業年金があります。
最近の株で運用する自己責任型の拠出年金は
税控除が一定額認められる さらに追加の年金です。

現在は、共済年金が厚生年金に統合(2015)されています。

公務員もサラリーマンも1,2階部分が整理され
厚生年金(国民年金+厚生年金 + (企業年金、確定拠出年金))のような
すっきりした形になりました。

もらうときは、老齢基礎年金、老齢厚生年金(or 旧 共済年金) , 企業年金となります。

国民年金6割というあやしい表現

自営業者の方など第1号被保険者の方が納付すべき月 数に対し、納付した月数の割合です。

だれが言ったかわかりませんが、表現がひどいですね。
厚生年金の基礎年金部分は国民年金ですと言っているにもかかわらず
上記の表現になっているので、不明です。

国民年金 = 普通の年金ではありません。
厚生年金などいくつか種類があります。

国民年金 1700万人
厚生年金 3600万人 +第3号900万人
共済年金 450万人
計 6700万人   (H26 : 2014)

仮に上記の国民年金は7割の人しか納入していないとしても
全体として 93%の人が納入していることになります。

つまりほとんどの人が納入しています。
現在は国民皆年金(1961~)として、全員納付の義務があります。

国民年金保険料の最終納付率は67.8%(自営業者の方など第1号被保険者の方が納付すべき月 数に対し、納付した月数の割合です)でしたが、国民年金加入者全体で見ると、約97%の方が保険 料を納付しています。

統計情報 |厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/toukei/index.html

厚生年金保険・国民年金事業の概況 |厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106808_1.html

原資がどれだけ持つか

今受給している人は
3,991万人(2014)います。

この約4000万人が月 17万もらうとすると
毎月7兆円かかることになります。

「老齢基礎年金」 年金額は満額(480カ月)の場合780,900円×改定率  / 年
そのほか 老齢厚生年金があります。

原資のうち現役世代分を除き6割を使い、5割が国庫から出ているとして

130兆円 * 0.6 = 112

原資がどれだけ持つか
112/(7*0.5) = 22年  これは 65歳の平均余命(18~23)をほぼ含みますので
インフレが0%であれば十分な金額になっているのがわかります。

2004年(平成16年)4月7日、自由民主党衆議院議員の安倍晋三は、衆議院厚生労働委員会で、自営業者らが加入する 国民年金について、現状のままだと積立金は2017年(平成29年)度に枯渇するとの見通しを述べた。また厚生労働省年金局長の吉武民樹は、毎年280円の引き上げでも2023年(平成35年)に積立金が枯渇するとの見通しを示した[32]

2004年(平成16年)度に導入されたマクロ経済スライドは、長期化したデフレーションの影響により、2014年(平成26年)度まで結局一度も実施されなかった。2004年(平成16年)度実績で233.8兆円だった積立金は2011年(平成23年)度実績では196.5兆円となり、

wikipedia

個人単位で見ると
月3万年金で30年払うと
3 x 12 *30 = 1080万円です。

65歳から 月8万もらうと  11年ちょっと、
月17万もらうと 5年ちょっと
持ちませんので、
5年も生きれば元が取れます。

支払
(万円/月)
期間
(年)
支払総額
(万円)
原資受給期間
(年)
8万円/月 17万円 25万円
2 10 240 2.5 1.2 0.8
2 30 720 7.5 3.5 2.4
2 40 960 10.0 4.7 3.2
3 25 900 9.4 4.4 3.0
3 40 1440 15.0 7.1 4.8
4 40 1920 20.0 9.4 6.4
6 35 2520 26.3 12.4 8.4
8 35 3360 35 16.5 11.2

現役世代が 毎年半分負担してくれるので
この倍の期間ぐらいは持つようになります。

ただ、これもインフレが起きたら価値が
1/4 , 1/10になる可能性も十分あります。

貯蓄は10,20年ならばいいが、30年40年たつと無力

30,40年後の財政状況はそう簡単に予想はできません。
財務省も予想できていないので
誰も保証はありません。

少なくとも、今のような経済システムや
資金循環のシステムではお金が偏り、
30,40年たつと、貯蓄(年金含む)はかなり
無力になります。

年間インフレ率と年数(原資100として)

5年 10 20 30 40
-1% 105.1 110.5 122.0 134.8 148.9
1% 95.1 90.4 81.8 74.0 66.9
2% 90.4 81.7 66.8 54.5 44.6
3% 85.9 73.7 54.4 40.1 29.6
5% 77.4 59.9 35.8 21.5 12.9
7% 69.6 48.4 23.4 11.3 5.5
10% 59.0 34.9 12.2 4.2 1.5
15% 44.4 19.7 3.9 0.8 0.2
20% 32.8 10.7 1.2 0.1 0.0

人口比率に対する見方

4人に一人が高齢者で、
今後高齢者数が5000万人ぐらいで
40年間以上横ばいで推移します。

その間、他の各世代の人口は減り続けます。

そういう事実がありますが
見方としては悲観的な見方は良くありません。

例えば労働者4人で 一人を見る状態になったとき
考え方としては   40人で10人見るとしたほうが
良いと思います。

また、3人に一人という風に比率が変わったときは
一方的に3人の負担が3割増えたとみるのではなく
一人当たりの支援が双方向で 十数%増減するという理解が
落としどころだし、そのようにスライドすると思います。

今後に向け

貯蓄することでカバーできますが、インフレなどに対応できません。
このままでは、体が動かないくらい高齢になったとき
若者と金持ちがいなくなり、ますます貧困が加速します。

自衛隊や警察からも若い人が減っていく可能性もあり
日本は各外国に取られ放題になり、悲惨な世代間競争が発生します。
もちろん若者のほうが力があるので、
ぎりぎりもらえる人は、無力の時に若者に任せざるを得ません。

少子高齢化が急に進む中国で義務化された「親孝行」 | nippon.com
http://www.nippon.com/ja/features/c02805/

国の借金はインフレで返せたとしても
年金の原資も同様に紙くずになってしまいます。

インフレさせないことが重要です。
ただ、国債の発行高を見る限り
あと20年で1000兆円も借金を上積みすると
ハイパーインフレに近づく可能性は十分あります。

貯蓄はある程度しながらも
月当りの経費を 安くし、若者が過ごしやすい
社会システムを構築することが大事です。

  • 土地などの値段を安くする。
  • コンパクトシティで経費を安くする。
  • AIやロボティクスで労働力を支援する。
  • お金がないと動かないような自立していない地方は改善する。

70歳ぐらいまではフルタイムではないけれど
幼稚園や小学校やPTAなど
見守りやサポートを行ったり
ごはんを作ったりしてもいいと思います。

また、高齢で済むところを3,4つもっている人は
どんどん若者や企業、地域に融通し
社会全体のコストを下げるべきだと思います。
GDPが下がりますが、土地代が1/4,1/3下がれば
すべてのコストが8%ぐらい安くなります。

一般の方でも住んでいるところで
4,5割住居費にかかっている経費が
2,3割になると大きいと思います。

現役世代は、先の世代が残したリソースを潤沢に使い、
若者世代を立派に育て上げ
日本の重要な人材にすることがとても大事です。

まだ、団塊の世代が元気な今のうちに
一緒に対応すれば楽しいと思います。

騙されないために

年金機構10か条

お客様へのお約束10か条|日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/info/oyakusoku10.html

下請けの憂鬱を感じるような文章です。
そういうことをやってくれるのはうれしいですが
肝心なのは、全体設計としてどう大丈夫なのかということです。
また、どういう条件や仮定を置いているかが重要なのです。
(堂々とそれが出ていないことは、
想定外で破たんする可能性が高いということですし、
国民にリスクを共有していません)

年金記録の確認

年金記録を確認することは需要は重要ですが
一番大事なのは、同じように年金システム全体が正しく動くかということです。
なにが正しいかというのも正確に定量的に出してもらわないとわかりません。

マジックの世界でも、ミスディレクションというのがあります。
種となる箇所よりも、関係ないところを大げさにして
注意を惹くところです。

将棋でも、大事な時ほど冷静に、盤面全体を見て
危ないところやチャンスを探します。

交渉事でも冷静に本質の流れを意識し全体を見ることが大事です。

質問を与えられるのではなく、自分で考える

質問は自分からぶつけてください。

何も考えずに、マスコミや サイトを見ても、情報が偏る可能性があります。
自分で考え、疑問や不満点を出して、それを確認してください。
3コール以内で誠実に、そうして親切にもう一言助言してくれます。

まとめ

年金は税金のような、社会全体からの弱者へのサポート。
基盤はしっかりした日本が土台となる。

5年に一度見直せば、年金は破綻しないが
インフレやその対応策の運用リスクがあり、
人口比率に本質的に対応できていない。
(インフレになり貯蓄が少ない人ほど
年金だけで過ごせないし、現役世代の年金の負担も大きくなる)

インフレになれば、原子の価値が下がる。
それを防ぐために運用しても増減するリスクはある。

人口比率の急激な高齢化には、対応できていないので
GDPが増えたりインフレを目指すよりもそちらの対応を考えることが重要。

労働人口の増強や、若者への支援、
月当たりの経費が下がるような技術や社会システムの向上が大事。

その他ニュース

平成 27 年 10 月から
共済年金は厚生年金に統一されます
http://www.jinjika.jim.titech.ac.jp/fuk/whatnew/nenkin-1.pdf

無年金対策に年650億円 当初見込みの倍以上 政府経済対策案:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/DA3S12481502.html
政府は26日、年金の受給資格を現行の25年から10年に短縮する無年金者対策を盛り込んだ経済対策案

15年や20年払った人が掛け捨てになるのは、
いかがなものかと思っていましたので良いと思います。
25年は世界的にも長すぎです。
金額は微々たるものですが個人的には7年でもいいかもしれないと思います。
7年でも2年のさかのぼりと5年分の貯蓄で対応できます。

OECD「図表で見る世界の年金 2013」(Pensions at a Glance 2013)の公表とデータを参照する際の留意点等について |報道発表資料|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000030467.html

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