トランス脂肪酸は食べて良いのか悪いのか


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トランス脂肪酸が危険という噂を聞いて、
シスとトランスの違いがそれほど影響するのか
怪しいと思ったので、調べてみました。

トランス脂肪酸とは

飽和/不飽和脂肪酸

視野が狭くならないように、脂肪酸のところから大きく説明していきます。

飽和脂肪酸は動物に多く含まれていますが、融点が低く安定しているので、
一般的には常温で固形です。

不飽和脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸、魚のDHA などです。
トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種です。
不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸と違ってC間が2重結合でつながっているので、水素などが少ないです。
また、飽和脂肪酸に比べ、不安定で酸化しやすいです。
なので常温で液体 です。
n-3や 不飽和脂肪酸の違いは、2重結合の位置や数でも名前が変わっています。

いずれの脂肪もトランス脂肪酸だろうが
同じように消化・吸収され、エネルギーとしても活用されます(ファクトシートより)。

シス/トランス型とは

いわゆるる有機化学の化学式の用語です。
シスもトランス脂肪酸も同じ化学式で、違いは2重結合の箇所の原子の繋がり方です。

1重結合や3重結合だと、特性に違いは現れないのですが
2重結合だと、同位体にならないので、違いが現れるそうです。

熱力学的に、トランス型のほうが安定しています。
生物界では、シス型が多いのは、同じ方向に折れ曲がるし、
いざとなればトランス型に変わることができるなどからそうなっているのではという説があります。

気ままに有機化学: 生物はシス型がお好き!?
http://chemistry4410.seesaa.net/article/66348300.html
二重結合がシス型であれば、分子の形が大きく折れ曲がるのでより不規則な立体構造になり(高いエントロピー状態)、弾性も大きくなる

それに、上記の定義では、どの2重結合でトランスなのかで違いが出るので、
多様なトランス脂肪酸があることになります。

天然か、レアか

トランス脂肪酸は、天然にも存在します。
ただわずかです。

マーガリンなどにもありますが、牛の胃などにも存在し、
肉にも存在すると言われています。

天然由来か人工かを見分ける方法は現在無いそうです(農林水産省のHPより)。

作り方

作り方があるというよりも、例えばマーガリンを作る過程でわずかに (0.1%以下など)発生するものです。
植物性油は上で言ったように、液体に近いため飽和脂肪酸のバターのように固形化するために
水素を加えます(上記で2重結合の説明した箇所)。

こういう処理をプラスチック化と言います。
ポリエチレン等のプラスチックとは素材は全く別物で、
とても小さく(せいぜい分子量20くらい。プラスチックは数百)、
融点も低く植物油と大して変わりません。

プラスチック化というのは安定させた、固定化させたという科学的処理の意味で、
素材の意味ではないのです。

他にも同様に、匂いや栄養をとったりする工程で、
トランス脂肪酸が僅かですが生まれるようです。

全部がトランス脂肪酸になるわけではなく、
例えば何度も熱を加えてみても
発生するトランス脂肪酸はわずかで
影響が無視できる程度だそうです(農林水産省のHPより)

このように日本では「プラスチック」のイメージが先走ったようです。
以前マンションが「うさぎ小屋」とからかわれたという勘違いが合ったように、
わかりやすいイメージが、間違って伝わった典型的な例のようです。

「マーガリンの危険性」
http://www.jca.apc.org/~misatoya/bargarine/margarin.html
1998年にアメリカで「危険な油が病気を起こしている」という本を発表したジョン・フィネガンによるとこの水素添加した脂肪の分子を顕微鏡で見るとプラスチックにたいへん似ていて、科学者たちは「オイルのプラスチック化」と呼んでいたそうだ。このトランス脂肪酸は牛や羊の胃の中でも微生物によって生成されるために、バターやチーズ、食肉の中にも少量ではあるが天然の形で存在している。

トランス脂肪酸はプラスチックに全く似てないよ (マーガリン=プラスチック説の否定) – 趣味:科学
http://flatfisher.blog68.fc2.com/blog-entry-302.html

直接的な危険性

トランス脂肪酸に関する情報 – 消費者庁

すぐにわかるトランス脂肪酸:農林水産省

山崎製パン | トランス脂肪酸等に関する情報開示について

食品安全員会 トランス脂肪酸ファクトシート

米国のトランス脂肪酸“禁止” 日本が振り回される必要はない – 松永和紀 (科学ジャーナリスト) (2/2)

危険性は
トランス脂肪酸は長期間の過剰摂取により、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減少させることが指摘されているのみで、

さらに一般的な免疫学の話とつなげ
それが 脂肪過多に繋がり、さらに動脈硬化に繋がると言っているだけのようです。
トランス脂肪酸が何か危険でまずいと言っているのではなく、脂肪が増えることによる
一般的な動脈硬化の症状を気にしています。

ここは強引な理論です。
人や状況によって、LDLが多いほうが良いのか悪いのかは違いますし
一概に言い切れないと思います。

また、LDLを増やすのは「飽和脂肪酸を含む食事と同様に」ですので、
一般的な脂肪酸の過剰摂取リスクとあまり変わらないのかもしれません。
ただし、一般的な脂肪酸や飽和脂肪酸より影響が大きいとのこと
(ファクトシートの欧州食品安全機関(EFSA)の節)。

また、ガン、アレルギー、乳児に対する因果関係ははっきりしていないそうです
(ファクトシートの欧州食品安全機関(EFSA)の節)

・心血管系疾患のリスク増加につながるとの確証的な根拠があるものは、ミリスチ ン酸(飽和脂肪酸)、パルミチン酸(飽和脂肪酸)、トランス脂肪酸、塩分の高 摂取、体重超過、アルコールの高摂取
・代謝研究から、トランス脂肪酸は、LDL コレステロールを上昇させるだけでな く、HDL コレステロールを減少させるため、飽和脂肪酸よりもアテローム(皮膚の下の脂肪の塊)を発生 させやすくすることが示されている。
・ 数件の大規模コホート研究では、トランス脂肪酸摂取が虚血性心疾患のリスクを 高めることが分かっている。

ファクトシートより

FAO・WHOなども同様で、
つまり、動脈硬化の危険性に繋がる恐れがあり、
飽和脂肪酸より影響が高そうだということのようです。

また、それを前提に 摂取の上限は
総カロリーの 1%以下が望ましいという基準が世界では多く見られます。

日本では、その1%よりも低く 平均的に見て0.3%~0.7%の摂取 となっています。
アメリカや ヨーロッパの一部の国では、 1%を超えていますので設定しているんですね。
日本でも、ジャンクフード(安くて腐りにくい脂だから)を食べると
超える可能性はあります。

もう少し広めで危険性を見ると、
ジャンクフードを食べ過ぎていなければ
塩分や脂肪のとりすぎに日本人は注意すべきという結論のようです。

日本の各社(ポーションやクリーム、マーガリン製造)とも、
含有するトランス脂肪酸の割合を劇的に下げています(0.1%以下)。
それのみを食べても  0.1%ですので、
普通の食事で  2kg中 200gであったら0.01%/日ぐらいになりますね。

アメリカで禁止されたのは人工的に水素添加する方法での固定化であり
トランス脂肪酸自体は禁止にしていないそうです。肉に含まれていますしね。

食べるプラスチック?トランス脂肪酸のウソ

トランス脂肪酸とは?マーガリンとショートニング避けたい食品 | 危険な食品添加物一覧

まとめ

トランス脂肪酸というのは、脂肪と同じようにエネルギーになる。
また脂肪と同じような危険性として、LDLを増やしHDLを減らすため
動脈硬化の可能性があり、影響度は飽和脂肪酸より高い。

ただ、天然や肉にも存在し、人工由来との違いはまだはっきりしていない。

硬化油として その生成過程などでトランス脂肪酸は僅かに発生されるのみ。

日本人は、日常的な量では食べ過ぎていないので、
それほど注意するような危険なものではない。
それよりも、肥満や塩分に注意(動脈硬化として)すべきというのが現状の見解。

補足

マックのポテトが腐らないという話が
関連してちらほらあるようですが、
油自体、くさるものではなく、
酸化するものだからだそうです。

酸化すると、やはり茶色く変色します。
また天然由来と言われているのものは、
おそらく純粋ではなく、水やタンパク質が含まれており
それにより早く劣化しているとのことです。

腐らないのではなく、純度の高い油でぱりっとコーティングされているため
酸化しにくく、腐りにくいのです。

「マーガリンはプラスチック」は嘘だった。 – NAVER まとめ
Pierce Whole Nutrition: Butter vs. Margarine: The Results!

例えば毎日口にしている、砂糖や台所の油は
1,2週間で使いきっているでしょうか?
腐っているでしょうか?

砂糖は消費期限のないものですね。
それと同じようなことだと思います。

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